『働き方改革』は『働かせ方改革』ではないかというお話

こんにちは、営業担当のナカノです。
今日は以前から話題になっていたサイボウズ株式会社の20周年記念製作アニメ『アリキリ』と、
これまた議論が交わされている『働き方改革』について考えてみたいと思います。

なんでこの話題を出したかというと、
実は9月13日、およそ1週間前に日経新聞で『アリキリ』の新聞広告が出ていたんですね。

社長の名前で、「働き方改革に関するお詫び」という一面広告がドカーンと。

 

インパクトのある広告です。少しだけ文言を引用してみると…

「私たちの意思はまったく伝わっておりません。
とにかく残業はさせまいとオフィスから社員を追い出す職場、
深夜残業を禁止して早朝出勤を黙認する職場、働き方改革の号令だけかけて現場に丸投げする職場。
なんですか、そのありがた迷惑なプレミアムフライデーとやらは…」

と中々にエッジの効いた皮肉な言葉が飛び交っています。
こんな風に言えるのは、働き方について先進的な取り組みを行っているサイボウズ株式会社だからこそでしょう。
同社は、「副業は原則自由」、「最大6年間の育児・介護休暇制度」や、
転職や留学で退職しても復帰が可能な「育自分休暇制度」など、
「社員が100人いれば、100通りの楽しみ方があると思うんです。」という言葉に表れるとおり、
これまでの日本企業であればありえない!というような制度を導入してきました。

しかも、それは社長が率先して制度を作り上げたのではなく、従業員の声からのボトムアップとのこと。
そして、結果として最大28%に上昇していた離職率を4%に抑制しています。
そんなサイボウズだからこそ、国家的に推進している「働き方改革」への疑問もエッジを効かせられるのでしょうね。
それをアニメという誰にでも分かりやすい媒体を使用して問題提起するのだから、
見事だなーと思って見入ってしまいました。

遅くなりましたが、youtubeで3話すべて視聴できます。
ちなみに、特設サイトはこちらからご覧いただけます。
https://cybozu.co.jp/20th/

ゆるさが漂う中に本質を突いてくる言葉がところどころ見え隠れしています。
ぜひご覧ください。
そんな『アリキリ』ですが、最初から最後まで一貫しているのは、
「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。」というテーマ設定です。
これを見たときに、
「ああ、今の『働き方改革』がピンとこないのは『働かせ方改革』だからじゃないのかな」と思ったのです。

社員に対しての制度っつーんじゃなくて、外に向けての制度だったんですよねー。

これは、第3話に登場する、強制的に育児休暇を取らされたイクメンチョウチョの言葉です。
大号令のもとに推進されている「働き方改革」の本質を切り取ったセリフだと考えられます。
そして、それは「楽しくないのはなぜだろう」に通じるものではないでしょうか。
強制的に育児休暇を取得させることが果たして、本人にとって良いことなのか。
男性の育児休暇を取得させること自体(数値)が目標になって、
本人の理想や希望、幸せとは縁遠いことになってしまっていては、本末転倒になっているのでは、と考えさせられます。

『働き方改革』の背景をもう一度見直してみましょう

政府が議論する「働き方改革」、ここでもう一度その目的を振り返ってみましょう。
元々は、労働人口の減少に対する処置や長時間労働の是正などを目的に進められてきた「改革」です。
更にはこちらも聞いたことがあるかもしれません、「一億総活躍社会」という言葉が根底になっています。
「働き方改革」は、具体的な方策として、女性の雇用増大やテレワークの推進、高齢者の就業促進などを推進しています。
日本中の労働力の確保や生産性向上を支援する改革を目指しているのでしょう。
「働き方改革」の理念や具体的な数値を実行するのは、各企業です。
そして、ここで僕が大事だと考えているのは、企業にとって二つ選択肢があるのではないかということ。

1.与えられた数値をクリアするために強制性を持って制度設計を取り入れること

2.本当に従業員が「働きたい」と思うような柔軟な制度設計を取り入れること

少し恣意的な書き方になってしまいましたが…
「働き方改革」や「一億総活躍社会」という言葉は、
ともすると「活躍しなければいけない」という強制性を与えてしまいます。
(国家の経済成長を目指すための方策なので強制性があって当然なのですが)

しかし、従業員にとっては本来であれば、
「活躍できるステージをいくつか用意したから、どれを選ぶかはあなたの自由でいいよ」という方が望ましいのではないかと思います。

※もちろん、長時間労働の是正や男性の育児休暇取得推進がダメだということを言いたいのではありません。
 むしろ、そのような希望が通るような社会づくりを進めることにはもろ手を挙げて賛成しております。
 重要なのは、画一的・強制的に制度運用するのではなく、
 多様性を認めるような拡張性の高い制度設計をしていきましょうよ、ということです。

例えば冒頭の『アリキリ』では、株式会社アンツは強制的にプレミアムフライデーを実行しています。
結果として、会社の近くでしごとをするという事態に。勤務形態を画一的に押しつけてしまっています。
これだと、「働き方」は選べません。まさに「働かせ方改革」になっているのではないでしょうか。

『働かせ方改革』ではない『働き方改革』になるためには

長くなりましたので、そろそろまとめに入りましょう。
「働き方改革」という言葉が話題になり、いまだ論争が続くように、
働くことや働くための制度設計は一筋縄ではいきません。
今後、AIやその他IT分野の技術の進歩により生産性の向上や省力化がさらに進むことでしょう。

労働人口が減少し、経済成長が鈍化するということが見えている時代に必要なのは、
一人一人が働くことを楽しむこと、そして楽しめるような制度設計や選択肢の多様性を推進することではないでしょうか。
働く人たちが能動的に働き方を選択できる職場づくり、会社づくり。

それこそが、「働き方改革」の進むべき道だと考えます。

▽これまでの記事はこちら

ユニークな社内制度が採用と広報の武器になる?
「ギガが減る」という言葉とユーザー目線について

 

 

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