こんにちは!ヨネダです。
ちょうど、大学受験のシーズンということもあり今回のブログでは大学進学について考えたいと思います。
大学進学については、よく「大学進学率」というフレーズを耳にします。これは、文部科学省の「学校基本調査」によってそのデータが発表されているものです。言葉の定義としては、
「各年3月の高等学校及び中等教育学校後期課程本科卒業者のうち、大学の学部・通信教育部・別科に進学した者(就職進学した者を含む。)の占める比率」
ということで、高校卒業後の進路として短大・専門学校・就職などを除いた数字(率)になります。この大学進学率、戦後上昇をし続けたのですが…
じつは、文部科学省のデータと18歳人口の推移から考えると大学進学率が、2人に1人(50%)を超えたのは、平成21年(2009年)です。今年、27歳になる歳の方からです。それから、もうすぐ10年になろうかとしております。
良いか否かは別にして、なんとなくですが、このタイミングから大学に進学するのが一般的になっているような気がしております。
「大学進学率」と「大学非入学者数」
ちなみに、大学進学率が、40%を超えたのは、平成14年(2002年、現在34歳)。
30%を超えたのは、平成6年(1994年、現在42歳)です。
43歳以上の時代の方は、概ね、大学進学率が20%の時代に18歳になった年齢になります。
「大学進学率」という言葉は、あくまで卒業者数を元にした割合の話であります。今回はその裏側にあるデータについて考えてみたいと思います。大学に通っていない方がどれくらいの人数いるかについて、つまり「大学非入学者数」です。
「大学進学率」30%を超えた平成6年(1994年、現42歳)は、「大学非入学者数」は130万人。
おなじく、40%を超えた平成14年(2002年、現34歳)は、「大学非入学者数」は90万人。
最後に、50%を超えた平成21年(2009年、現27歳)は、「大学非入学者数」は60万人。
大学非入学者が150万人を超えているのは、平成2年~4年(1990年~1992年)、現在は44歳~46歳になる歳の方の時代です。
数字だけのイメージから考えると、「大学進学率」については、ここ20-25年の間で、30%から50%へと、20%くらいの数字の変化がありますが、大学に進学していない人数(大学非入学者数)での変化を考えると、150万人から130万人、さらに90万人から60万人と大きな数字の変化があります。「率」ではなかなかイメージしづらいかもしれませんが、その実数(大学非入学者数)を見てみると、その数の多さに改めてびっくりします。
「率」のインパクトよりも、「大学非入学者数」のインパクトの方が大きい
今までの話は、「大学に行く人の割合が増え続けている」ということでしたが、言葉を言いかえると「なぜ、ここまで大学に行かない人の人数が減ったのか?」という疑問も浮かびます。
以前は大学に進学しなかった人数は150万人でしたが、今や減少し60万人です。もちろん、少子化で人口減少は当然の問題にしても、それにしても…の数字です。
そんなに、誰しもが、勉強することが好きということもないですし大学に進学して、高校と同じように、中間テスト、期末テストなど受けたい!という20歳前後の若者が多いとも思いません。
いろんな考え、理由がありますが、1つは、大学に行くと就職を前提に将来に少なからず有利に働くであろうという認識があるのかもしれません。また、現代において、「大学くらい出ておかないと」という、なんとなく暗黙の…があるかもしれません。おそらく、理由は一つではないと思いますし明確な回答は難しいと思います。
ここで、私は、大学は入った方がいいとか、行かなくてもいいと、どちらの言葉も言うつもりはありません。大学進学を考えている方に対しては、大学に行く意味をもって、受験に挑み進学してもらいたいと思います。
大学で専攻したことが、その先、社会にでて直接役に立つかどうかというのは、その後の本人の選択にもよりますが、全く違う分野に進んでも、大学で学んだ努力したプロセスというものは、今後の人生でどこかで役に立つと思います。真剣に考え、意味をもって、進学することに意義があると思います。
また、大学進学ではなく、まったく別の道を考えている人にも、自分自身が選択した道を、自信をもって歩んで行って欲しいと思っております。
おそらく、これからの時代は、新しく企画する力やゼロからイチを生み出す創造力など、新規サービスを世の中に発信する力が必要になってくると思います。
新しい価値を提供できる人間力を持っている人材が必要とされるのではないかと考えてます。
また、人はそれぞれどこに向かって歩いていくのか?を考えた場合におそらく、誰しもが、「幸せ」という、それぞれの目標に向かって歩んでいくと思ってます。各個人の価値観、考え方は異なるので、その「幸せ」という目標・ゴールは人それぞれ違いますが、大学に進学した方が、その「幸せ」に近づくと思えば、大学に行けば良いと思いますし、そうでない場合は、別の選択肢があってもいいと思います。
なぜ、「大学に進学するのか?」その答えは、各個人の中に存在するので、一般的に正解があるわけではありません。また、選択肢は無数にあり、どれが正解なのかは誰にもわかりません。
就職を支援する立場として、学生へは内定はゴールではない、ようやく社会人のスタートラインに立つのだと良くいいますが、大学受験を控える高校生には、一旦は、大学の合格発表がゴールにはなると思いますが、おそらく、そこでまた、大学生として、スタートラインに立つのだと思います。人生には、多くゴールがあり、そしてまた、ゴールの先にすぐスタートラインが待っています。
自分自身で納得したスタートラインに立つためにも、今という瞬間を有意義なものにしてもらいたいと思っています。
みんな、がんばれ!
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